GIJIE 2003年12月号(11月10日発売)に掲載
LAKE TROLLERS FISHING REPORTS
出たゾ!モンスター!! 100cmレイクトラウト! 今期最終日の夕マズメ!!
レイクの神様が降臨だ!!!  by 塩谷大物釣師




100cm Lake Trout in Lake Tyuzenji
Angler Mr.Atsushi Shioya

(HP速報・第一声)
ついにやりました。感動の一尾です。過去に何度も飲まされた苦汁をバネに、日頃の精進が実を結び、ようやっとモンスターを無事ランディングすることができました。ご声援いただきました皆様、どうも有難うございました。

2003シーズン最終日)
9月18日(木)仕事を済ませ、愛車で今シーズン最終日となる中禅寺湖へ向かった。これで今期13回目の釣行である。今年は天候不順・冷夏の影響で大物が出ず全般的に不調の印象が残る中禅寺湖だが、「ついに今年も最終日となりましたが、引続きクレイジーに深淵に潜む巨大レイクを狙いに、今から中禅寺湖に向います」と、仲間にメールメッセージを残し東北HWをひた走った。運転中の頭の中は、いつものとおり翌日の攻めパターン構築に余念がなく、湖畔に到着する頃にはトローリングルートと作戦は決まっていた。

2003年9月19日(金)、今シーズンの最終日である。天気:晴れ時々くもり、気温:15℃、水温:19.6℃。上々のコンディションのなか、4時30分にレーク岡甚桟橋から出船した。予めイメージした作戦どおり朝一でフランス大使館沖に直行し、薄暗闇の中、ポイントを確認しながら逐次GPS魚探にマークをいれた。魚探からみる狙い所には予想どおり魚が写っている。試しにその上を2−3回、ルアーをそっと流し込んだが全く喰わない。しかし焦りはない・動じない。なぜならばそう簡単に大魚がヒットする訳がなく、本日はオーラスの夕マズメに勝負をかけるポイント!と決めていたので、「この時は状況を把握できれば十分だったから」である。

GPS魚探

in the morning)
夜明けから日の出にかけてはホンマスを狙い、本つが〜八丁出島〜上野島〜大日崎と、湖を時計周りに、ミノー(真木SL11ワカサギ(今春、中禅寺湖にてメーターオーバー級がヒット&バラシ)、SL7ワカサギ、SL11姫)とスプーン(牛角、アワビ、夜行貝)のローテーションで、60−120ydの広範囲を流し様子を見た。午前7時、朝日に輝く美しい松ヶ崎をトロールしながら、大尻から登ったでっかい太陽の恵みに感謝し、この日の「大魚を祈願」をした。しかし太陽が顔をだすと同時に西風が強まり、13番岬までは左舷から受ける強い波風でジグザグ航行を余儀なくされ、沖合いを90&130ydで流すルアーは深い所でどうなっているやら?確認するすべもないまま湖を横断した。これまでのところ「アタリ0」である。

大尻朝日 松ヶ崎

「ピコピコ」・…携帯メールがなった。送信元はバンクーバーのTed松田氏、横浜のMouse奥氏からだ。「釣れてますか?」の問いに、「今のところ全くアタリありません」の空しい回答が、万丈の山を越えITに乗って街へ飛んでいく…。

「さーて、これからどう攻めっか?」、と思案していると、「ピーヒョロリ」…と着メロが鳴った。今度はルイジアナのVick岸氏からの国際電話だ。コッチは呑気に中禅寺湖で釣りをしている最中だが、アメリカは午後の仕事バリバリ中である。元来「仕事好き」なVickとの話題は、もっぱら為替相場・物流動向で、肝心の釣話は最後のオマケ程度である。毎度のことながらこの間は釣りに集中できずエライ迷惑を被る訳だが、単独釣行におけるしばしの清涼剤・格好の気分転換でもあり、いつものとおり数分間の電話ミーティングをエンジョイした後、中途半端な沖合いの釣りから13番岬に引き返し、狙いをレイクトラウトに徹底し、国道沿いでトロールを再開した。

強い西風に背中を押されながら13番〜だるま石〜12番〜大崎と、有望ポイントを流していると、風はさらに強まりウネリの波長がダイナミックとなり、湖を反時計周りにいく対抗船は、船首からまともに波を受けバッタンバタンと「兄弟船」状態だ。釣行の都度、荒天に遭遇するコピーライター・嵐を呼ぶ渡辺氏(ハンドメ「嵐ミノー」の作者)の爽やかな笑顔が、思わず目に浮かんだ。追い風操船に留意し、国道沿いカケアガリの水深20-30m付近を丹念にトロールしたが、ここでもヒットがないまま大尻に着いた。ここはこの春「幻の大魚(たぶんレイクのメーターオーバー??)」を大綱引きの末バラしたポイントである、がこの日は全くアタリがない。午前11時、通常ならばこのまま昼休み休憩に入るパターンであるが、今回は泣いても笑っても最終釣行だ。波もやや納まってきたので、ダラけた心身に気合と渇!を入れ、そのままフランス沖から本つがまで半居眠り状態でトロールを続けたが、結局「アタリなし」のまま徒労の午前が終焉し、12時過ぎ、レーク岡甚桟橋に戻った。


Lunch Break)
岡甚食堂で「ノーヒット」の報告をし、併せて周辺の情報収集を行った。最終日のこの日はベテラン釣人が多く、なかなかのタフコンディションながら、30-40p級のホンマスや、40p台のレイクトラウトがポツポツあがっている。流石レーク岡甚のエキスパート達だ!シーズン後半でもシブトク釣果をあげるあたり、長年の経験に培われた燻し銀の熟練が感じられる。大先輩のヒット情報を収集・分析した後、いつものとおり立木観音の美味しい湧水をペットボトルに汲み、山門越しに観音様に合掌!、午後の部の「安全」と「大漁満足!」を祈願し、愛車で休憩をとった。

 
岡甚桟橋

in the afternoon)
午後の部は14時に出船し、確率の高そうな大日崎〜勇助和田〜上野島シャロー間の往復で、16時過ぎまで粘った。勇助のポイントをトローリングしながら真木ミノーの真木氏、レイクトローラーズの今野氏、翌日お世話になる丸沼環湖莊の荻原氏に携帯電話で、これまでの状況と残り時間の戦略&豊富他を述べ、依然ノーヒットのままこのポイントを後に「最後に勝負をかける!と決めていたフランス大使館沖」に移動した。

(夕マズメの勝負!はフランス沖)
 今期最終日の夕マズメ、ついに2003年シーズンの禁漁まで残り1時間を切った。中禅寺温泉街に灯がともり、国道を行く車のヘッドライトが光の列を作りはじめた頃、早朝・昼・午後と、各時間ごとにチェックしていたポイントを徹底的に攻め始めた。今度の攻めは、早朝のサグリと違って容赦はない。ルアーは朝から酷使していた真木ミノー「SL11ワカサギ」から、今夏の新製品・アピール度抜群の「SLV120姫」に交換し、最後の勝負に臨んだ。

夕暮れ、この直後にモンスターレイクが!

レッドコア120yd、水深25m、狙ったポイントに向けGPSを参考にルートを定める。ポイントを通過した、「ピピッ…」ブーメランのような魚影が魚探に反応した。風向きと湖流、船とポイントの関係を頭に叩き込み、時速2km/h台で船を進める。遥か130m後方の「SLV120姫」が「カクレ根」に差し掛かった頃を見計らい、爛熟の操船テクでミノーを落し込んだ…。奇蹟が起こった。

(メーターレイクと大格闘!)
FenwickHのグラスロッドを、「グゥッイーーン!!!」と豪快に絞り込んだ未だ見ぬモンスターは、持てる力と英知の全てを結集し、ガマカツ針からの脱出を試みて極太トルクと豪快ファイトでグングンと湖底への突進を開始した。この時を待ちこの時のために準備を整えてきた私は、夕闇の狂人と化し、全身全霊でこれと対峙した。ロッドから時折「ゴヮッ、ゴゴーン・・・」と、大型レイク特有の重厚なファイトが伝わってくる。「これは…デカイ!簡単には寄ってこない・・・」。ボートを水深のあるエリアまで持って行きながら、超ディープ120ydのレッドコアを、時間をかけゆっくりゆっくり巻いた。同時に流していたもう2本のロッドは、回収ロスを防ぐため左舷に流したまま束ねたまま、そのまんまだ。丁寧に慎重に約100ydを巻き取り、残り20ydとなった時点から、一向に浮上しないモンスターを芯として、デッドスローでボートを旋回させた。

ジワジワじわじわ…モンスターの動きを確認しながら、どうにかこうにかレッドコアラインを巻き取った。がしかしリーダーから先が全く巻けない。残りラインは15m、「未だかつてない大きさだ!全くあがらない・・・」。頻繁にドラグ調整しながら、仕掛ける時・勝負の瞬間を待った。踏ん張り続ける足はパンパン、上腕筋は既に限界が近い。だんだん周囲が暗くなってきた。「チキショーこれで限界か?!なすすべが無い、しかし敵も疲労困憊のはず、ここで弱気になってはダメだ」と、気合を入れ直した時、前週読んだ「釣キチ三平クラシック(No8)・カルデラの青鮒」で、巨大鮒とやりとりする一平じいさんの名台詞がフト脳裏を過ぎった。

「三平!魚と釣り人の勝負は、「姿見ず」の段階で決まるもんじゃ!いいか、釣りの上手い人はなぁ、かかった魚の姿をみるまでじっと辛抱して待つのじゃよ。三平!何慌ててるだ!持っている玉網をそこさ置け!そいつは魚の姿を見て、手元さ寄せてから悠々と手に持って使うもんじゃ。いいか?「姿見ず」のうちから泡くってあれやこれや詮索し、早く魚を見たいと焦る釣師は、竿に余計な力が加わりせっかくかかった魚をバラしたり、テグスを切られたりするもんじゃい」と。

何分が経過しただろうか?よくは覚えてない。一平じいさんの訓話を胸に、カルカッタ700のスプールを親指でサミングしながら、石のように重いモンスターを無理をせず少しづつ少しづつポンピングで持ちあげた。やっとのことで湖面まで浮上させることができたモンスターは、なんとメーター級のレイクトラウトだ!「モワッ!」と、ボート右舷先の水面を山のよう膨らませた後、一瞬にして深淵に向かって20mを再突進する。とてつもないトルク、驚愕の馬力、ケタ外れのパワーである!二回目の勝負ではロッドを操作し、ボート真サイドに上手くあがったところを、ネット一発でネットイン!しかし魚が半分ちょっとしか入らない!間髪いれずにロッドを放り投げ、両手で尻尾がはみ出したままのネットを鷲掴みし、気迫の抱え込みランディングに成功!!!

大型ネットにもいけすにも収まりきらない、まさに規格外のモンスターレイク。

イケスより遥かにでかいレイクトラウトの巨体がオンデッキに横たわった。苦節の歳月が実を結び、推定年齢30年・中禅寺湖の主・驚愕のモンスター・レイクトラウトに出会った歴史的瞬間!である。円は閉じた。震える手でがっちり刺さったフックをモンスターのアゴから外し、寸法の足りないイケスに魚を入れ、すっぽりと夜のとばりに包まれた静かな湖上を、威風堂々とレーク岡甚桟橋に凱旋した。時は18時15分日没、2003年度中禅寺湖が禁漁となる、その時だった。

(大物狙い)
これまで中禅寺湖で何回かヒットさせたメーターオーバー?と思わしき大物は、ファイトの途中でラインが切れたりフックが伸びたり、またロッドワークや操船ミス等で「痛恨のバラシ」を余儀なくされてきた。常に大物を意識したハードタックル(H仕様トローリングロッド、大容量ベイトリール、強靭ライン、大型リアルミノー等)で釣行に臨んでいても、ヒットした時の運(フッキング、湖上コンディション等)がなければモンスターは簡単にはランディングさせてもらえない。また大物を狙うには、自然洞察力や大型トラウトに影響をあたえる湖からの情報収集も重要なファクターとなり、そこにさらに技術・体力・集中力・不屈の闘志がトッピングされることにより、悲願達成となるのである。このうちのどれかひとつでも欠けていたら、「至高のモンスター」はきっと「幻の大魚」に終わってしまうのだろう。ラインは?ルアーは?結び目は?スイベルは?ドラグ調整は?…大物狙いの必須要項は全てに妥協が許されない。

 
「釣人は皆、初め初心者だった、能力に差はない、しかし修練の差は大きい…」大物釣師かく語りき

(end of the Report)
メーターレイクを釣りあげた後の岡甚桟橋で、計測・写真撮影協力、ならびに祝福をしてくれた岡甚ヒロカズさん他皆さん、ヒットミノーを提供してくれた真木さん、レイクトラーズBBSに速報した佐藤君、携帯電池が切れる程連絡をくれたVick岸さん、Ted松田さん、デザイナーの勝又さん(ハンドメ「KIGAN」)の作者)他お世話になった皆様方に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。どうも有難うございました。

全長100cm、重さ12kg 胴回りはなんと65cm!

剥製発送準備中


Result)
年月日:2003年9月19日(金)、17時47分
釣魚:レイクトラウト 
全長:100cm
目方:12`
胴周:65cm
尾高:27cm
現認:レーク岡甚

Tackles)
ロッド:Fenwick・FS‐106C‐H
リール:シマノ・CALCUTTA‐700・ベイトリール
ルアー:真木ハンドメイドルアーズ・SLV120・姫
(魚を研究し尽くした精巧な造りに、妥協を許さない堅牢なコーティングを施し、ディープレンジで酷使するトローリングに適した耐久性ミノー)
レッドコアライン:Cabelas Nylon Lead‐Core 18lb.
リーダー:VARIVAS・フロロカーボン 10lb.
フック:ガマカツSIWASH HOOKS OPEN EYE Size1/0

真木ミノーとFENWICKロッド 真木ミノーと強靭ガマカツフック



レイクトラウト100cm
Japanese Lake Trout 100 cm & Angler Mr.Shioya


真木ルアー SLV姫を咥えたレイク   Hit lure- Maki handmade lure "SL III HIME"


大型ランディングネットに体半分!
Because such a big lake trout, it can contain only a half in a landing net!.


いけすの中もごらんの状態
Livewell looks quite small because of big trout.


レイクトラウト100cm(縦)


本日のタックル
Today's fishing tackle.


計量中のレーク岡甚 浩和さん Hirokazu-san has measured the weight.

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